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Q.環境対策をした印刷物を製作することはできますか。

A. 印刷物の各製作プロセスにおいてさまざまな対策があります。

用紙・インキ・加工・物流において、環境負荷を低減するための具体的な対策には以下のようなものがあります。

1. 用紙の選択(素材・調達)

用紙は印刷物の重量・体積の大半を占めるため、ここを見直すことが最も効果的です。

FSC®認証紙の採用

適切に管理された森林から切り出された木材や、環境・社会・経済的に配慮されたサプライチェーンから調達された用紙。企業のCSRやSDGsのアピールに直結します。当社はFSC認証マークの印刷が許可された指定業者です。
▲FSC認証マークが付与された印刷事例

再生紙(古紙パルプ配合率の高い用紙)

古紙を利用することで森林資源の消費を抑え、廃棄物の削減につながります。近年は白色度が高く、品質の安定した再生紙も増えています。条件をクリアすることでグリーンマーク等を印刷することが出来ます。

非木材紙・代替原料紙

木材パルプの代わりに、バナナ収穫後の茎から作るバナナペーパー、竹(成長が早く環境負荷が低い)・バガス(サトウキビの搾りかす)・ケナフ、あるいは米(もみ殻や古米など)を利用した紙。地域資源の活用やユニークなストーリーテリングにも向いています。
▲バナナペーパーを使用した印刷事例

石灰石を主原料とする新素材(LIMEXなど)

主原料に木材パルプを使用せず、石灰石(ミネラルパルプ)を活用することで、水や森林資源の消費を大幅に抑えて作られる用紙です。耐水性にも優れています。

2. インキ・塗料・印刷方式の選択

印刷面を彩るインキも、化学物質の削減やリサイクル適性の観点から進化しています。

植物油インキ(ベジタブルオイルインク)

大豆油、亜麻仁油、桐油、パーム油などの植物由来の油や、それらを回収・精製した再生油を含有したインキ。石油系溶剤の含有量を大幅に減らし、揮発性有機化合物(VOC)の排出を抑制します。
▲ベジタブルオイルインクの使用を示すマークを印刷した事例

UVインキ(紫外線硬化型インキ)

紫外線を照射することで瞬時に硬化するインキ。酸化重合乾燥を用いる従来の油性オフセット印刷と比べて乾燥待ち時間が不要なため、仕掛品の滞留を抑え、後工程への受け渡しを迅速に行うことができます。これにより、生産リードタイムの短縮や工程全体の生産性向上に貢献します。

水無し印刷

通常のオフセット印刷で必須となる「湿し水(有害な化学物質を含む水)」を一切使用しない印刷方式です。
主なメリットは有機化合物(VOC)や有害な排水の排出をゼロに抑えられ、インキの滲みが少ないため高精細な表現が可能です。
アピール方法としては環境配慮の証として、「バタフライマーク」を印刷物に掲載できます。

3. 加工・製本の工夫

印刷後の加工方法や仕上げを工夫することで、リサイクル性や環境負荷を大きく変えることができます。

ノン・プラ(脱プラスチック)加工

表紙の保護などで一般的に使われる「PP貼り(ポリプロピレンフィルムのラミネート)」は、紙とプラスチックが混ざるため古紙リサイクルの際に分別・剥離が必要になり、再利用の妨げになります。これを「水性ニス加工」や「プレスコート(熱と圧力による光沢出し)」に置き換えることで、そのまま古紙としてリサイクルできるようになります。

環境対応型糊・製本資材

製本時に使用する背固めの糊(ホットメルトなど)において、古紙回収の工程でパルプから綺麗に剥離しやすい「解離性糊」を採用することで、リサイクル率を高めることができます。

4. 工程・プロセスの効率化(ムダの削減等)

過剰な製造やエネルギー消費を抑えることも、重要な環境対策です。

適切な部数設計とPOD(オンデマンド印刷)の活用

「在庫を大量に抱えて最終的に廃棄する(いわゆる「断トツのムダ」)」を防ぐため、デジタル印刷(オンデマンド印刷)を活用して必要な部数を必要な時期に小ロットで製造する手法。版を作らないため、版材(PS版など)の廃棄や現像液の廃液も削減できます。

CTP(Computer-to-Plate)工程の環境対応

オフセット印刷の製版工程において、化学薬品を用いた現像処理を不要にする「無処理CTP(プロセレスレス版)」の導入。廃液の排出をゼロにできます。

CO2オフセット印刷機の導入

当社では「CO2ニュートラル」を取得した印刷機を導入しています。この「CO2ニュートラル」は、印刷機械の生産工程において排出されたCO2の量を正確に計算し、そのCO2の量に応じた金額を環境NGO法人に寄付することにより、SDG‘sの17項目のうち11項目を満たす内容となっています。

企業のブランドイメージや、その印刷物を手にするターゲット層の価値観に合わせて、どの部分(用紙・インキ・加工・部数設計など)に優先してアプローチするかを選択していくことが一般的です。ぜひお気軽にご相談ください。